岡山の水源の森について学ぼう
2014年9月10日、ESD世界会議を前にした岡山市にある小規模特認校、角山小学校の全児童を対象に、岡山市の水源の森を学ぶ授業が開催されました。
身近な自然と結びつけて
岡山市には、旭川や吉井川という、大きな川が流れています。川は子どもたちにとって身近な存在ですが、その水源となる森は上流域にあるため、足を踏み入れる機会は少なく、森と水との関係について、あまり感じるきっかけがありません。そこで、この授業では、「岡山の水源の森について学ぼう」と題して、岡山県のナショナル・トラスト地「美作水源の森」を題材に、森と水との関係について知り、水源の森を守ることについて考えるきっかけを与えました。
実施校、角山小学校の近くには、砂川という、吉井川の支流が流れています。そして、その砂川は、天然記念物に指定されるアユモドキや、メダカが生息するなど、いきものが豊富で、子どもたちの憩いの場となっています。
そこで授業では、この砂川でみつかるいきものや自然について問いかけることをきっかけに、みんなが使う水を供給する川が、一体どこにつながっているのかという問いを投げかけました。
海から蒸発した水が雨となり、森林に吸収され、ゆっくりと時間をかけて川へと流れ込む。水と森林につながりがあることを、難しい言葉を使わずとも、イメージとして把握できるように、授業ではアニメーションを活用した映像教材の他、スポンジやスポイト、バケツなどを使って、森林の保水機能や、水の循環などに関する子どもたちの気づきや理解をサポートしました。
地図を見て、自分たちの学校やその近くを流れる川を確認し、下流と上流のつながり、そして川と森林のつながりを視覚的に捉え、想像を膨らませることを通じて、学年も理解度も異なる子どもたちにも、イメージが共有されていきます。
ナショナル・トラスト地、美作水源の森については、日本ナショナル・トラスト協会の中安さんによる紹介映像が、森林のいきものたちとともに紹介され、自然を開発から守り、未来にもつないでいくために、ナショナル・トラストの活動が大切であることが、紹介されました。
映像教材の活用で、つながりを俯瞰する
映像教材を見ることで、短い時間でも、子どもたちは、想像力を働かせながら、川や水、森のいのちのつながりを、イメージとして感じ取っていました。授業終了後、子どもたちからは、川だけではなく、上流にある森のことも考えるようになったといった感想がありました。
持続可能な開発のための教育の10年の最終年を迎える2014年。岡山県では、さまざまなESD活動が各地で展開されています。この映像教材については今後、岡山市内の小学校で活用されることが予定されています。