学校でできる省エネ・エコ活動について考えてみよう
岐阜県羽島市にある正木小学校では、省エネやエコについて子どもたちが自発的に取り組む力を育てようと、さまざまな工夫を凝らした授業を行っています。今回のESD推進事業では、小学校5年生を対象に、子どもたちがこれまでのエコ活動を振り返り、クラスのみんなと共有することで、多様な取り組みがあることに気づき、家庭や学校、地域で省エネ・エコに「ずっと取り組む」意欲を育てることを目的に実施されました。
授業は総合学習の2時限を使って行われました。前半の授業では、子どもたちが夏休みの課題や家庭での省エネ活動として取り組んできた活動について発表。子どもたちはグループに分かれ、用意した発表資料を使って元気いっぱいに自分たちの取り組みを紹介すると、クラスみんなからも多くの質問や意見が飛び交いました。
後半は「学校ではどんな省エネ・エコ活動ができるだろう?」という切り口で、先生たちが自ら考え、出演する映像教材を使って、視点を学校生活に移して、さらにどんなことができるのかを考えていきました。
「みんなに、家で省エネに取り組んでもらったけれど、学校ではどれくらいエネルギーを使っているのだろう?」その問いかけに、先生は学校のエネルギー使用量の資料を見せながら、この量は妥当か、もしも削減したいならどんなことができそうかなど、子どもたちに問いかけました。
また、先生が地産地消のお弁当を作っていることや、栄養士さんが地産地消の良さを説明する映像教材を使って「地産地消がそんなにいいことなら、何故学校では月に1度しか地産地消のメニューがでないのだろう?」ということについて、皆で話し合い、考えを深めました。
この実証事業では、映像教材を活用し新たな視座を提示し、「何故」「どうして」という問いを効果的に投げかけることが、子どもたちにさらなる気づきを促し、これからも省エネ・エコ活動についてもっと取組んでみたいという気持ちを育てることに結びつきました。
子どもたちは映像教材で見た先生のエコ活動が印象に強く残ったようで、例えば使っていない場所にまで照明がついた教室を見かけると「無駄なところは消している先生もいるんだから、先生も気をつけて」などと声をかけるなど、学校でのエコ活動を楽しんでいるそうです。
この授業のために、他にも、学校に設置された太陽光パネルや、紙のリサイクルといった身近な題材からエコを考える映像教材が作成されました。これらの教材は、今後も引き続き活用されていく予定です。