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授業レポート
新潟県新潟市

ラムサール条約湿地「佐潟」から考える「里潟」と地域の未来

  • 2017.10

「里潟」という言葉を知っていますか? 新潟の「潟」という文字は、湖沼を表現しています。里潟とは、潟との関わりの中で生まれた、暮らしの風景を表す言葉なのです。

 

【世界的に評価される「潟」のほとりから考える】

新潟砂丘の西側、新潟市赤塚地域にある佐潟(さかた)。数多くある潟の中で、新潟では初めて、全国では10番目に、佐潟はラムサール条約湿地に登録されました。ラムサール条約は、渡り鳥の暮らす水辺環境を守るための国際条約で、この条約の登録湿地になるということは、国際的にもとても高い評価を得ていることを意味します。では、数多くある潟の中で、何故、佐潟が注目されたのでしょうか。佐潟のほとりにある赤塚中学校の生徒たちと、映像を使った授業で考えました。

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【佐渡のトキ保全から考える、地域の暮らしと自然】

参考にしたのが、同じ新潟県にある、佐渡市のトキ保全の取り組みです。乱獲により一度は絶滅したトキ。昭和初期に島で再発見されたことをきっかけに、佐渡での保全活動が始まりました。しかし、昔のようにトキを野生に戻すには大きな壁がありました。農業の近代化によって農地整備がおこなれ、農薬などが使われるようになったことで、トキの食料となるドジョウなどのいきものが豊かな田んぼ環境が、地域から失われていたのです。そこで佐渡では、農家の人たちと一緒に、農薬を使わない、生き物豊かな農業を復活させる活動が生まれました。取り組みの結果、現在では200羽を超えるトキが野生で消息しています。トキのいる田んぼでつくられたコメはブランド米として全国的にも人気が高い佐渡の名物になりました。

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【潟との暮らしを引き継ぐ人々】

佐渡について学んだのち、生徒たちは改めて、自分たちの暮らす佐潟での活動に目を向けます。

 

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冬には白鳥が訪れ、夏には蓮の花の美しい佐潟は、かつて、地域の暮らしに非常に密接した存在でした。映像では、佐潟を守る活動をしている人たちが登場し、かつての佐潟では水を飲み、泳ぐこともできたこと、魚を捕まえて生活の糧にしていたことなどが紹介されます。時代の移り変わりとともに、佐潟やその周辺から田んぼがなくなったことで、水質も変わり、潟と暮らしとの結びつきが薄れていきましたが、地域の人たちによって、潟と共にある里潟の暮らしを引き継ごうと、潟普請(潟の泥かき)などの活動が守り継がれているのです。

 

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豊かな自然を守ること、その価値を伝えること、そして、自然を賢く使うこと(Wise Use)。これらの価値が評価されたことが、佐潟がラムサール条約の登録湿地になった大きな要因なのでした。

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年間の行事として、潟普請に参加している赤塚中学校の生徒たち。授業を通じて、自分たちの活動が、潟と共にある地域の未来をつなぐ活動であることを、改めて感じとりました。

  • 本事業は、三井住友信託銀行のCSR事業として実施されました。

参考: http://www.smtb.jp/csr/esd/